未来

哀れなるものたちの未来のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
楽しさ、心地よさに忠実に生きることは生き物としてあるべき姿に思える。しかしその様な常識を知らず、羞恥が無く、社会のシステムの外側にいる生き方は人間社会では哀れまれるという冷厳な事実をこの映画の主人公ベラとそれを取り巻く環境から味わう。

だがこの映画が進んでいくにつれ、同じ人間であるはずなのに、上に立つものが存在するこの社会。搾取する側とされる側という縮図で成り立っているこの社会が哀さが顕になる。

主人公のベラ(エマ・ストーン)は大人の体を持ちながら少女の脳みそを持っている。そんな無垢な視点から社会を見てみることで、いかに世の中がが競争的で格差的で汚れている、それが当たり前になっている、しかしそれが動物など野蛮なものと違い、人間が人間たらしめる部分となっていることがわかる。人で生まれた以上それを受け入れ社会で勝ち上がるしか幸せになれる方法は無いということを考えさせられる。
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