トバムネキ

哀れなるものたちのトバムネキのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

文字通り生まれ変わった女性の再生の物語。
私が生まれて初めてパンフレットを購入した映画となった。

エマストーンは自殺で一度命を落とすが、天才外科医(ウィレムデフォー)の手によってお腹の胎児の脳を移植することによって蘇生された。
身体は20代後半だが、頭脳は赤ちゃん。見た目は大人、頭脳は子ども、その名も.....ベラ。

ベラは言動が赤ちゃんそのものだが、成長は著しかった。次々と言葉を覚え、性にも目覚める。そんな彼女は、外科医の助手と婚約し、実験室でなく外の世界を知りたいと望む。

そんな彼女の心を掴んだのがマークラファロ演じる悪徳弁護士。2人で駆け落ちし、世界を回る。美しいものや醜いものを見て、ベラは世界を学んでいく。

何の思考もできなかった彼女は、周遊から意思と意見を得て他人と衝突するように。それに反発する大人と受け入れる大人。彼女は経験したことで、選択できるようになった。


物事をフラットな目線で眺める彼女の生き様は、現代に生きる我々の固定観念を揺さぶるものであった。
本作を教訓に、自分自身を見つめ直すことができるかどうか。偏見を持っていないか、差別をしていないか。一度胸に手を置いて、じっくりと考えることが、この偉大なる作品への最大の賛辞となろう。
トバムネキ

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