翔

哀れなるものたちの翔のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
-
ぬるま湯から飛び出る勇気!

ベラがピュアなままに様々な知見を身に着け、自分を創り上げていく様が爽快であった。忘れがちな子供の頃に自分にあったはずのものの見方、この視点を提示してくれる映画を見るたびに思い出すということは、すぐに忘れてしまうということだろう。
ダンカンが連れて行く由緒正しい場所と、ベラの奔放な態度が、コントラストを生み、それによりベラに対するリスペクトが増したような感じがする。
性的な喜びを恥を感じずに受け入れることができるならば、売春に対するマイナスイメージも当然なくなる。売春に対する世の中の嫌悪は、一体どこから来ているのだろう。
エンディングのヤギ人間は、支配者から被支配者に成り下がったという皮肉なのか、結局ベラも人間の醜さを持っているということなのか、真意は掴みきれなかったが、ブラックジョークとして観客からも笑いが起きていた。
翔