レオン

哀れなるものたちのレオンのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.4
異色人気監督最新作 (★平均4.1 近隣シネコン 映画コム★平均3.9)
作品レビュー前に知って頂きたい事が。 現在米アカデミー協会の「作品賞」対象作品には"二つの必要条件"が。 2020年秋に発表された内容を要約すると↓
1 . 主演または重要な助演役に白人以外の人種を最低一人以上起用すること。(発表文ではアジア人・黒人・ヒスパニック系・・等と記載)
2.または作品テーマに、女性、人種/民族的少数派、LGBTQなどの性的マイノリティー、障がいを持つ人等の要素を含むこと。
さらに制作スタッフにも、最低二人は上記に該当する者を起用するなどの新基準が設けられた。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5f583b55c5b62874bc158b89

昨年「作品賞」の「エブリシング・・」や、その前年の「コーダ あいのうた」も上記に該当する。
そして今作も・・・。
そして同じ異色作でも「バビロン」は候補にならなかった・・。
最近この様な作品が増えたのは、このアカデミー基準が要因のひとつに。 そしてなぜこの様な新基準になったかは、文末に私的見解を。

さて今作、原題が「Poor Things」なので、邦題が「ものたち」と "物"と"者"の両方を表しているのはよく考えられている。 そしてフォロワーさんは現在、高評価の方が多いが、私は自信の基準点よりマイナスに。

まずよい点から記すると、衣装やセット美術は目を見張る美しさで、船や小さい城などが本物ではなく、アート作品の様に魅せている画力は抜群。

が物語は、序盤の外科手術による誕生というプロットはフムフムと作品に引き込むが、その後が”幼稚園児”に翻弄される大人の物語が、作品の3分の2あたりまで続き、私的にやや冗長に感じ、他作品のデジャブを感じた。 「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」だ・・。

それに矛盾と疑問を感じる設定も多々。
なぜ博士は一般道徳を教えなかったのか・・。
なぜ宝物のように大事な"実験体"を不安な旅に出させたのか・・。
なぜ100人も女性を知る狡猾な弁護士が、幼稚園児に魅了されたのか・・。
なぜ弁護士はその者と旅に出ればトラブルが待ち受けている事を予知出来なかったのか・・。
なぜ狡猾な弁護士自身の方が、稚拙な態度を取る様に変わったのか・・。
と、物語優先ご都合主義な展開にやや嫌気がしてため息も・・・・。

が、今作がそれでも見る者の注意を引くのは、幾度となく"意外な物"を画に描写している点だ。
奇怪な動物、現象、唐突な主人公の行動、ユニークなダンス、ヌード、キモい男性、性描写・・・。

エマ・ストーンはそこまでやるかと驚愕してしまう熱演で、是非主演女優を獲得してほしいと記している方もいるが、私は逆にこの役で受賞してほしくないと感じる。

世界中の「映画女優」を目指して努力している女性に、あそこまでしないとアカデミー主演女優は獲れないのか・・。 逆にあそこまでやれば主演女優が獲れるのか・・と"異質な基準"になってしまいそうに感じるから。
(が、実情は他の多くの女優達は、彼女以上にあの役を演じきれない、と判断しストーンに投票する方も多いと思う)

お人形の様な大きな目のストーンはこの役にはピッタリで、エロティックなシーンでも、ポルノチックになってないのは彼女のキャラが貢献してると思う。

が、このベラという役は、心中にある事がすぐ行動に出てしまう稚拙な成長途上で、人としての人格が完成されていない役どころなので、私的に、ストーンには他にもっと打ち込める作品でその演技力を発揮してほしかったと・・。

私が思う、本当に素晴らしい演技とは、僅かな出演時間、あるいは台詞がないシーンでも、その登場人物の性格や心の深淵まで伝わってしまう様な演技だと思う。

明らかに大衆ウケしそうにない今作が、もしアカデミー賞を多部門受賞すれば、ますます国内では洋画離れが進行してしまうかと・・。
「アカデミー作品賞って、どうせ難しい変な作品でしょう~・・」と敬遠される様な風潮にならなければいいが・。
(現在、日本国内の映画収益の「和洋対比」は68:32で、圧倒的に邦画優勢)


↓ ややネタバレ


終盤でベラの心が大人に成長して、ようやく感情表現も含まれる描写になるも、傲慢将軍が現れてマックスとの関係がフリダシに戻りそうに・・。
その時点で、そうか今作がこれほど★評価が高いのは、この将軍をベラが殺してマックスの元へ戻るという、愛情表現が豊かな描写になるのか! と瞬時にひらめいた♪
だから、マックスに「必ず戻るわ」とか、「私がこの状況を解決するわ」等の台詞を言うはず!  

と思ったのだが、無言でふらふらとついて行く・・。
なんだ結局、感情表現する演出はないのかと、やや落胆・・。
が、物語がまだ続き・・という事はやはり将軍を・・・。

私はもっとブラックなエンディングを想像した。
危篤の"博士の脳"を”将軍の体”に移植して蘇らせ、
"将軍の脳"を、"犬の体"に移植する!
が、結果は見ての通り、1段階弱いラストに。

ベラが式場でマックスに一言告げて、尚もっと必然的に将軍に銃を向ければ、感情面での成長を見れて、私の評価はもう少し上がったのだが、
結局、叙情表現より叙事表現の方が強く感じ、★は上がらずに・・。
同じ異色作でも「TITANE/チタン」はもっと感情移入出来て、「バビロン」は全編魅せ続けたのだが・・。

でも記憶に残りそうなシーンは数知れずの作品でした♪


PS=
アカデミーのマイノリティ新基準に関して。
以前のアカデミー賞は受賞者はおろか、ノミネート者さえほとんどが白人という場合が多く、"白すぎるアカデミー賞"と揶揄されていました。 

これに異を唱えたのが、フランシス・マクドーマンで、90回受賞式で「インクルージョンライダー」という言葉で、出演者やスタッフまでマイノリティを要求するよう求めました。
というのが表向きの新基準採用の理由です。

が、ハリウッドは政治的には「左派リベラルの巣窟」と言われる存在。
メリル・ストリープが受賞式でトランプ大統領(右派代表=左派がもっとも消滅させたい存在)を批判する内容をスピーチに盛り込んだのは有名です。(トランプさんの個人名は述べていませんが、明らかにそれと分かる内容)
シュワルツネッガーも反トランプ派・・。

その左派が推奨しているのが、マイノリティ重視や、LGBTQ推進、移民政策推進なのです。
なぜ左派がそれらを推進するかは、かなり悍ましい理由が噂されています。
(及川幸久という人気ジャーナリスト兼ユーチューバーはこの内容等をあから様にtube動画で語って、チャンネル毎バン(削除)されました・・・tube親会社のグーグルは政治的に左派企業)

ですのであくまで噂があるという事でお話を。
実は左派グローバリストの中には、同性愛者や小児性愛者が多いという噂です。
そして、彼らの最終目標は、合法小児性愛=未成年との合法性行為を目的にしていると・・。
(エプスタイン 小児 というキーワードを検索してみて下さい。 特にXで)

要するに今までタブーとされていた性的趣向を、「それが普通なんだよ」という思考に変えようとしているのだと噂が・・。
(今作のベラは精神年齢が幼い役柄で、その者との性行為は、暗に小児性愛を助長しているとさえ、私的に感じてしまう・・)

現在、「児童売買」がドラッグ密売より金額的により大きなマーケットとなって、巨大ビジネス化しているとの恐ろしい噂もあります。 その人たちがそれらに加担しているのではという噂も・・。
スタローンは親トランプ派で、自身の映画でも児童売買犯罪に立ち向かう作品を残している。

なので我々映画ファンは、それらのLGBTQや小児性愛などの要素作品の増殖を手放しでは喜べないというお話もあります。

児童売買の国際組織犯罪制度を描いた映画「サウンド・オブ・フリーダム」が全米で公開されましたが、日本ではある事で公開が難しくなっています。

興味ある方はご自身で、上記の色んなキーワードで検索してみて下さい。
尚、現在もっとも自由に表現出来るSNSは、旧ツイッターのXです。
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