金柑

哀れなるものたちの金柑のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.8
ヨルゴスランティモス作品はずっと気になっていたけど観るのは初めて、予告編をふわっと見ただけで楽しみ6・恐る恐る4で臨んだ

フランケンシュタイン的話らしい?ということ以外ジャンルもよくわかっていなかったけど、SFとファンタジーを挟みつつしっかりフェミニズムだった。こんなタッチで扱うこともできるのかとびっくりした。
純粋無垢で無知な女性に、金と力を持ち快楽を与えられる男性が世界を見せ("教え")、彼女は外に触れるうち気づけば自ら学び知を身につけ、自ら選択して足を踏み出し、自ら選択して戻り、さらに未来に向かっていく。
陳腐な言葉だけど、突き進むベラの姿に勇気をもらっている自分がいた。
終盤マックスと歩いているところ、これまでのよくあるやりとりなら絶対に逆なんだよなと嬉しくなった。

この作品の中ではヒステリックで自暴自棄になり喚くのは男、女はいつも落ち着いて冷静に分析して行動していく。
ベラはフランケンシュタインの怪物ではあるけど、ここではフランケンシュタイン自身も怪物なんだな

頭から終わりまで一貫して"作品"な映像と音楽で、もっと別に合う言葉があると思うけどまず映像作品としてとても楽しく面白かった
ベラのテーマなのかな、予告編でも使われてたメインテーマがただの不思議な音からどんどん親しみを感じるようになるのが面白かった

中盤はずっとAnnaの動画が頭をよぎっていて、そのうちマーガレットクアリーも出てきて勝手にライアンへフィントン繋がり…‥と思っていた。ダンスの振り付け誰だったのだろう、スタッフロールが美術品すぎて人の名前がほとんど読めなかったので知りたい
金柑

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