ヨルゴス・ランティモスの監督作で一番好きだ。
世界観も表現も素晴らしかった。
純真無垢な好奇心から飛び出した大冒険。
己の欲求に正直に、様々な経験をしながら貪欲に学び、感情豊かに逞しく成長してゆく、ひとりの女性の姿に感動を覚えた。
ベラの出生の秘密。
あれは本当に発明的なアイデア。
そして、生みの親であるゴッドのバックボーンにも悲哀があり、その父性にも説得力があったし、口から吐くバブル可愛かった。
似たテーマを描いた「バービー」も面白かったけれど、本作の到達点はその上をいっている。
哀しく、グロテスクで、美しかった。
壮大な、はじめてのおつかい。
プロダクションデザインも、サントラも、ビジュアルアートも、ユニークでお洒落。
超広角レンズの多用も色彩のバランスも視覚的に面白かった。
原作を読んでみたいし、もしも舞台化されたら嬉しいな。
帰路にふと、南Q太の「こどものあそび」という作品を思い出した。
あちらも名作。
これはあくまでも個人的な好みだけれど、母親となり我が子を抱くベラまでを描いてくれたなら完璧だった。
鶏豚のフィギュアが欲しいです🐖🐓