冬タル

哀れなるものたちの冬タルのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
エログロR-18だが、実に爽快。

原作があるし、監督の脚本ではないから過去作のように訳もわからない設定と展開で惹きつけられるタイプの作品ではないけど、
・ヘンテコな音
・カネと時間のかかった衣装・メイク
・古さと近未来が同居した世界観
・歪なカメラワーク
など映画を観る愉しさに富んでいたと思う。

欲にまみれた人間の醜い姿を目にすると、自分がそうだという自覚もそうありたいという願望も微塵もないが、「人間も動物・獣」という考えがよぎる。
あらゆる欲にまっすぐという意味での動物らしさがどんどん排除されていく今の世の中は、仕事だけでなく人間という存在自体もAI化していくのでは。と感じていた自分にとって、本作のラストは実に痛快だった。

人間らしさは動物らしさとイコールではない。
ベラの成長と冒険に万歳!!
冬タル

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