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哀れなるものたちのえるのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.1
#映画 #eiga #movie #シネマ #映画好きと繋がりたい

まだ2024年1月だけど、今年のベスト級な作品に出会えました。
ヨルゴス・ランティモス監督の過去作はやや苦手な感もあったが、アカデミー賞候補でもあり、鑑賞。
大人の肉体に赤ちゃんの脳。
こんな不気味な設定、ホラーかと思っていたが、なんと濃密な人生讃歌の物語か。
人間は、普通 肉体の成長とともに知能も成長していくものだが、ベラは、生まれたときから大人の肉体を持っていた。
そのおかげで、あらゆることを覚えるのも自分の意識を持って経験できる。
幸せなこと、恐怖、悲しいこと、外に出て世界を知ることで、彼女は美しく賢い女性へと進化していく。
その過程を緻密に面白く紡いでいく脚本の妙。
各俳優が素晴らしい演技でベラの世界が広がっていく様子を丹念に描いていく。
スクリーンには、美しい衣装や背景、ファンタジックな映像が繰り広げられる。
エロやグロのシーンもかなりあるが、下品ではなく下劣でもない。
現代の道徳観を超越して解放される一人の人間のぶっ飛んでるけど爽快な物語に陶酔できた141分でした。
『POOR』を『哀れなる』と邦題にしているが、「貧しい・可哀想」の『哀れ』というより、古語の「あはれ」=「素晴らしい・美しい・かわいい」に近い解釈ができそうです。
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