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哀れなるものたちのなのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

初めて予告を見た時からずっと楽しみにしていた作品。ストーリーは勿論、エマ・ストーンの演技、美術、コスチューム、全部が極上の作品でした。ぼんやりと見ているだけで満足感がある。
想像していた通り、自分の体は自分のもの、女性が性行為の主体となることなど、フェミニズムの要素はしっかりと押さえていたけれども、思っていたよりもフェミニズムの基本に忠実というか、破天荒すぎることはしていないとは感じた。でもここまではっきりと女性がセックスの主体となる映像作品はあんまり見たことがなかったので、ある種の爽快感はあった。ベラが社会主義者になるのも良かった。最悪な世界に絶望するだけでなく、変えていくことができると突き進んでいく。強い。
一方でベラは白人であり、ゴッドの庇護のもとで裕福な環境で生活している。この点でホワイトフェミニズムっぽくもあるという視点も否定しきれないところはある。娼館で友人となり一緒に医学を学ぶ黒人女性がマジカルニグロっぽいところも気になるっちゃ気になる。ただ前者については彼女が社会主義者になるところを見ると、ベラ自身が恵まれた環境にあること、その点で不均衡さがあることは自覚しているんじゃないかはとも思う。後者については、映画は原作小説のラストをかなりばっさりとカットしているそうなので、原作次第では考え方が変わるかもしれない(でもそもそも原作に彼女が出ているかどうかはわからないが…)
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