もりかわ

哀れなるものたちのもりかわのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

面白かったし、凄かった。クリエイティビティと知性と覚悟が画面から溢れ出てるような映画だった。

▶︎自分を再構築するということ
天才外科医によって赤子の脳を移植させられた女性が、世界を旅する話。

もう少し詳しくいうと、
・ある女性が川に身投げする。彼女は妊娠していた。
・仮死状態だった彼女を実験体に、天才外科医は赤子の脳を移植する手術を行い、成功する
・赤子の脳を持った彼女は加速度的に成長し、やがて館を出て世界を旅する

面白いところは、世界を旅する彼女が無垢な視線で世界を見つめ、新しいことを次々と発見し、吸収する過程。それと同時に、彼女は世界の残酷さや人間の醜さにも気づいてくる。

新しい何かに出会うことは新しい自分に出会うことで、世界の愚かさに直面することは自分の愚かさに気づくことでもある。そこから自己を再構築していくことが生きることなんだなと思わされる。
奇抜でファンタジーな世界観はただ奇抜なだけではなく、その過程に説得力を持たすために必要なものだと思わされる。

キャラクターもコミカルで、何よりエマ・ストーンの体を張った演技がエゲツない。
個人的には船上で出会った淑女が大好きでした。
もりかわ

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