ていてい

哀れなるものたちのていていのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2
鬼才ヨルゴスランティモスらしさ炸裂。
鑑賞後に原作があることを知ったが監督と原作の相性◎な作品。
噛めば噛むほど味が出てくるようなこの作品はレビューが難しい。
『支配からの解放』『女性の自立』『非道な行いをする者の排除』という社会上大切なことを提起しつつも、ラストには自由意志を持つことに対する恐ろしさのようなものも感じられる不思議で魅惑的な作品だった。
章ごとに区切られるスライドのデザイン、『イレイザーヘッド』を思い出した(好き)。
カメラワーク、美術(古典の中の近未来のような街並みや洋館の内装)、音響、CG、衣装、どれをとっても素晴らしく一つの芸術作品を見ているようだった。
とはいえアカデミー作品賞にノミネートされる作品としてはなかなか奇抜。
(クセ強監督なのでノミネートされてるからと安易に見ると度肝を抜かれるので過去作で監督を予習してから観るのがオススメ)
時代と共に年々色が変わってきているアカデミー賞が今年も楽しみだ。
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