mao

哀れなるものたちのmaoのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5
ビジュアルが最高すぎて全部目の中に入れたくなる。
特にエマ・ストーンがベラの純粋無垢さを体現してて本当に圧巻の演技だった。衣装も素晴らしく着替えるたび目の保養だったし、それを着こなせる彼女の美しさで頭がいっぱいで、やばい音楽と話で頭がついていかなかった。

先行上映と公開日に二回鑑賞したんだけど、最初仕事終わりめちゃくちゃ疲れて観たもんで爆睡かましたので再鑑賞。二回観て言えるのは、長い。特に前半30分くらい白黒だったりして睡魔に襲われた。

生まれてから長い時間をかけて味わう喜びや哀しみを一気に浴びた感覚。ベラの一挙手一投足が本能の塊過ぎて、普段いかに自分を抑制して生きているか思い知らされる。にしても裸が多い。
幼児から大人になるまでの過程で、自分の力で稼ぎ、世界の広さを知り、知識を吸収し、社会の役に立とうとする彼女の強さに凄く惹かれた。エッグタルトを好きなだけ頬張り砂糖の限界量を知り、美しい歌声に魅了され、踊りたい時に思うままに踊り、行きたい所には自分の足で行く。失敗すら楽しんでいる彼女の姿を見てるだけで自分の何かが発散されていくようで、芯から満たされた二時間半だった。

終始直接的に描いているから好き嫌いは分かれそう。それでもヨルゴスランティモスにしては、分かりやすい表現が多かったのでダントツ一番好きな作品。もっと監督の露悪的なのが好みだと物足りないのかな?
mao

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