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哀れなるものたちのaynのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.9
さっそく今年のベスト映画に入るんじゃないかというくらい良かった。
ストーリー、映像、キャラクターすべてが好みであった。ベラが世界との向き合い方を変えていく様子が見ていて気持ちいい。家、良識、社会(資本主義?)という監獄の中にいることに気づくベラは自らの行動を通してそれらとの付き合い方を考える。「人は学び続けて、進歩する」という月並みかもしれないけれど本作で中心的だったメッセージをたしかに受け取った。ダンカンという家父長制の極みアイコンが、学び続けるベラの存在をコントロールできなくなっていく様子もとてもいい。
セックスシーンが多く、「女性の解放にセックスの自由を必ずしも入れなくていいのではないか」という意見も見たが、まだまだ女性に性的な従順・技術を求めるのに解放的であってはならないという抑圧のある世の中なのだから、こうして「自分の身体をどうするのも自身に権利がある」と強く打ち出してくれるのは個人的には良いことだと思う。
(私がセックスシーンに抵抗がないからかもしれない)
また、もう一度見たくなる作品。
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