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哀れなるものたちのEDDIEのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
好き嫌いは置いといて凄い映画を観た。そんな感覚。体は大人、頭脳は子供な主人公の視点で世界を旅する。“良質な社会”を知らず理性なく本能のまま動く前半と徐々に知性を身に付けていく後半。エマ・ストーンも強烈だがマーク・ラファロが良い仕事した!

いやはや前半と後半の演じ分け、アカデミー主演女優賞はリリー・グラッドストーンで決まりか?と思われましたが、エマ・ストーンも負けてません。
そしてマーク・ラファロですよ。序盤はなかなか出てこないので、彼の出番はまだか?まだか?と待ち構えていたんですが、想像の斜め上をいく存在感の強さ。

なんか「女性の自立」とか「女性の解放」みたいな感想をよく見かけるんですが、僕はこの映画はそれだけではないと思うんですよね。
確かに主人公は女性ですが、どちらかというと無知が知識を得てどう変わっていくかを至極わかりやすく表現した作品だと感じました。
人間は成長するにつれて理性を持ち、恥ずかしさを覚えていきます。赤ん坊が赤ん坊のまま見せられても赤ん坊がどう変わったかってわかりづらいと思うんですよ。
だから、大人の体をハコとして考えて、人間がよくいう「子どもの成長は早い」をわかりやすく表現したんだと感じたんです。

まぁセックス描写の多さには辟易しましたし、決して性的興奮を覚えたりはしなかったので、ある意味芸術性を計算し尽くして撮影したのかなと推察。
とはいえ体感時間の長さは上映時間通り感じてしまうところもあり、僕が「人に勧めたくなる」基準となる4.0点超えはせず。

〈キャスト〉
ベラ・バクスター(エマ・ストーン)
ダンカン・ウェダバーン(マーク・ラファロ)
ゴドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)
マックス・マッキャンドレス(ラミー・ユセフ)
ハリー・アストレー(ジェロッド・カーマイケル)
アルフィー・ブレシントン(クリストファー・アボット)
フェリシティ(マーガレット・クアリー)
スワイニー(キャサリン・ハンター)
トワネット(スージー・ベンバ)

※2024年新作映画12本目
※2024年劇場鑑賞15本目
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