このレビューはネタバレを含みます
最後はヤギではなくて、博士の脳みそを入れると思ってた人は挙手してくださーい。
はーい。ノ
とまあ、オチは結構意表を突かれました。あまつさえ、それを「進歩」と表現したあたり、人間賛歌のようなありきたりなメッセージには絶対にしないぞという覚悟めいたものすら感じた。
でもよくよく考えたら、原題が『Poor Things』なので、タイトルの『哀れなるものたち』の"もの"とは、人だけではなく、この世で起こる事象全てを含めた意味。だから、この造られた世界は壮大なジョークでしかない。少なくとも自分にはそうとしか見えなかった。
あと、やっぱり語っておかないといけないのは、映像美の部分。アカデミー賞で衣裳デザイン賞、美術賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の計4部門に輝いたのも納得。
街全体を作り上げるほどの大規模な美術セットや映像表現のクオリティは褒めるしかないし、主演のエマ・ストーンの存在感は言わずものがな。それだけでも見る価値のある映画だと思う。
原作も機会があれば読んでみたい。