サプライズ

哀れなるものたちのサプライズのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2
何の為に生まれて、何をして生きるのか

見た目は大人、頭脳は子ども。逆コナンの主人公が、欲を知り、溺れ、理解するまでの様を描いた人生ロードムービー。客層はカップル、老夫婦の男女2人組が8割を占めていたが、グロいと思っちゃうほど性描写がキツイので気まずくなること間違いなし。ここまで真正面からぶつけてくる映画は中々ないため魅力的だと思う一方で、テーマが若い人向けだからR15+くらいに留めて欲しかったなぁとも思ったり。

それでも、劇中ずっと目が離せなかったのはアカデミーノミネートも納得の絵ヂカラ。絵の具で描かれたような背景と魚眼レンズで捉えられた街並み。その作り込まれた世界観にはずっと酔っていたくなる。生まれた時は希望に満ち溢れ、次第に現実を知り、世界に絶望して、そして新たな希望を抱く。エマ・ストーンの体当たりな怪演と共に、この映画に込められたメッセージは一生忘れられない。

少しでも体調が悪かったら見るのやめた方がいいよ。めちゃくちゃいい映画なんだけど、そんな状態だったら悪化するから。自分みたいに。

2024-25
サプライズ

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