2021ksh

哀れなるものたちの2021kshのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
美術、衣装、デザイン、すべて見たことのない世界観を堪能しつつ、人間とは?生きるとは?哲学的な事を考えざるをえない不思議な時間を映画館で。
特大のタイトルを見た瞬間「欠落してる諸々」
となぜか脳内変換。原題は「かわいそうに」という憐れみかもしれないが。体の成長を伴わず脳だけ成長?していくベラの中の「欠落(不完全さ)」を半ば強引に探しつつ観ることに。
一般人の思考代表のマークラファロとの対比の中で、或いは各地の人々との関わりの中で、ベラの無垢で剥き出しの欲望や自我主張が少しずつ変化を見せる。と同時に、一般人(ベラとの比較として人間一般)が完全なる存在では無いという事も見せている。
エンディングのベラの笑顔を見てもなお、彼女に決定的に欠けている何か、人間が身体の成長や経験に伴う脳の成長で獲得しているいわゆる「人間的な何か」が欠けているのを感じた。ベラを通じて人間が変化成長の途上である事を感じるラストだった。
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