序盤は美術を楽しむおしゃれ映画に見えたため退屈だったが、ベラが旅に出てからはどんどん面白くなっていった。
初めて知る外の世界で成長していく物語という部分はバービーと重なる。
18禁納得の性描写の数々には少々面食らった。
ただ全てのそれが表情とは裏腹に感情のこもっていない動物の交尾の様な無味乾燥なものに映るのはエマストーンのうまさであろう。
愛の欠如を感じた。
ダンカンが狂気的にベラにのめり込んでいく様は江川達也の「東京物語」の秀才村上とそれを凌駕する頭の良さを持つ水野の関係性を思い出させた。
成長と性欲が反比例しており、最後までそれの成長がなかったのはリアルなのかそうでないのかわからない。
恋愛感情の目覚めがまだ来ていないのかもしれないが。
少し悪趣味な美術は好みが分かれるであろうが私は結構好み。
良作。