回想シーンでご飯3杯いける

哀れなるものたちの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.5
自殺を図った女性の遺体が脳移植によって蘇る。肉体は大人でありながら、思考回路は幼児のようなベラが、その純粋な眼差しで見た男と女の関係。

人間の世界に慣れてしまった僕達とは違い、セックスに対しての欲望を包み隠さず、その関係の中で、男たちの愚かな部分を見事に描き出していく。「バービー」に似ている部分もあるが、こっちの方が過激で、ブッラクユーモアに徹している。アーミル・カーンが宇宙人に扮し、地球の宗教に対する疑問をユーモアたっぷりに投げかけた、インド映画の傑作「PK」に通じる部分もある。

ただ、画面内の情報量が多く、冒頭部分はどういうアングルで観れば良いのか正直戸惑ってしまい、最後の最後までストーリーの中で迷子になっていたような感覚も残った。

恥ずかしい話なのだが、主人公のベラが誰の脳を移植して蘇ったかを、僕は終盤になって把握したのだが、ここで皆さんのレビューを読んで、冒頭で既に明かされていた事を知った次第。これは大失態である。改めて最初から見直したい気持ちでいっぱいだ。