ヤマ

哀れなるものたちのヤマのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
自ら命を断った若き女性ベラは天才外科医ゴッドウィン・バクスターの手によって蘇る。大人の身体に子どもの心を持ったベラはやがて冒険を求めて旅立つ。

ちょっと奇妙でグロテスク、それでいてうつくしい独自の作品世界。構成するユニークな衣装デザインや緻密に作り込まれた美術、一聴すると調子ハズレな音楽も印象的。社会規範に囚われないベラは性に対する先入観も持たない。エマ・ストーンの体を張った演技には圧倒されるものがある。

冒険を経て、純粋無垢なベラは目覚ましい成長を遂げる。その時ほんとうの「哀れなるものたち」とはいったい誰なのかが自ずと浮かび上がる。誰かの思い通りにはならない自由意志を持ったベラに、何かいまだかつてないヒロインの誕生を目の当たりにした思いがする。
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