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哀れなるものたちのRiRiのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.8
2024年新作4本目。R18+作品。
ランティモス作品は、見ている最中に「何を見せられてるんだろう?」となる瞬間がある難解作品という印象で、今回も期待半分不安半分で見に来ましたが、結構見やすかったと思います。
内容としてはシンプルで、去年の『バービー』の逆アプローチ的な、生殖器ありきの、体が先にある状態での自我の成長という感じでした。
ランティモス作品を振り返ると、一貫して「ある人が管理される」というシチュエーション作品だったかと思います。
今回もそのパターンで始まりはするのですが、主人公のベラが管理者たちをどんどん振り回して最終的に管理者を破壊してしまうというのは過去作にはなく、なかなか斬新でした。

画作りとしては、モノクロとカラーを意識的に使い分け、魚眼レンズの映像や凝ったアングルのけれんみ溢れる映像が面白かったです。
ベラが着ている衣装もその時のベラの成長度合いを表現しているようで、どんどん変わっていくのが目に楽しかったです。
全体として、なんというか、ダリの作品のように、見るたびに不思議な気持ちになるような、そんなアートワークでした。

なお、R18+作品ではあるので、一緒に見に行く人を選びそうな作品ではあります。描写がかなり生々しい感じかなと。
よっぽどの映画好き同士じゃなければ、一人で見に行くのが無難かなと思います。
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