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哀れなるものたちのRのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ゴッドが亡くなる時に涙がつーと流れた。

鑑賞後2時間後の追記:
肉体と精神の年齢が脳移植のために一致していない女性、ベラ。新生児から脳を移植し、身体はその母親のものという人間。初期のベラは、常識的に見ればナチュラルな人間ではないから、怪物。でも人に危害を加える得体の知れないモンスターというよりは、外科医によって実験体として生かされた”哀れみの対象”だった。寝る、食べる、排泄するという生理的な欲求しか満たせないその未開な行動と、大人の身体を持つという矛盾をかかえた役のエマストーンの演技は、強烈な印象を与えた。次第に言葉を徐々に理解するようになるベラは、性欲を満たすこと=幸せだと感じる。自分でしても他人からされても。リスボンの街で男性と過ごしていたが、ベラの魅力に周囲が気づくようになり、それに嫉妬した支配欲の強い男性がベラを客船に乗せる。ベラは最初船に乗せられたことを不満に思っていたが、船上で知り合ったおばあさんと男性と仲良くなる。その2人から、アカデミックな知識を得ていき、学ぶことの楽しさを知った。しかし、ベラの常に人間は成長を目指すものという信念に、男性が理想ではなく現実主義の優越性とともに自分が置かれている世界線とは違う、赤ちゃんがたくさん死んでいく貧困の現実を目の当たりにさせられるのだった。(アレクサンドリア)この時ベラは大泣きする。《私見: このベラの涙は、これまで自分が見た体験した世界とは全く別の、暗くどうしようもないほど朽ち果てた世界を見て怖くなったのだと思う》。この後、船の部屋に戻ると連れの男性が博打で大儲けしたお金を全て拾い集め、この前に見た可哀想な人たちのために渡してほしいと船員に何の許可もなく渡した(このお金は実際全て届けられなさそうな描かれ方だった)。()内の事実を知らないベラだが、お金がもつ人を狂わせる見えない力を、あまりにも悲惨だった下界を見たことで彼女は知ることになった。こうして、一文無しになった2人はパリで船を降ろされた。男は金がなくなっても椅子に座り続けて文句を言うだけだったが、ベラはお金を稼ぐために風俗店で一回働いた。そのお金で連れの男性にエクレアを買ったが、体を売って手にしたお金で買ったものなど食べないと投げられた。見かねたベラは、ゴッドに預けられたお金を渡して男性をロンドンへと帰そうとしたが、全てお金を奪い取られて、男性は去ってしまった。また無一文になったベラは風俗店でしばらく働くことになった。仕事の日々は、オーナーに新しい価値観を教わったり、一回一回客と身体混じりの付き合いをすることで経験則的なものを得ていた。
、、、とストーリーはまだまだ続くが一旦筆を置く。
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