マツ

哀れなるものたちのマツのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

映像も良い、衣装デザインも良い、美術も良い、音楽も良い、最初の作品タイトルのフォントと出方も良い、そしてスタッフロールの出方も良い。

なにより胎児の脳を移植されたベラが、自我が芽生え、経験と知識を蓄えて成長し、女性を所有物としてしか考えていない男性優位社会からの解放を描いていてとても良かった!!

セックスシーンもあるし、ちょいグロのR18作品なので皆にお勧めできるわけではないが、気になる人は圧倒的な美しい映像や衣装、美術、音楽を映画館で見てほしい。
エマ・ストーンの演技も素晴らしい。

[追記メモ]
船上で知識を与えてくれた存在である2人とのやり取りがとても良かった。特に本を読んでいたシーン。
グルーミング(だと自分は思っている)してきた人からの「愛らしい話し方が失われている」という台詞と、本を捨てられるという最悪な行為をされても、新たに本をくれたのが素晴らしかった。連帯を示すシーン。

映画館で見た時は気づかなかったが、ベラの
”You’re in my sun.”
という台詞ってディオケネスの言葉からの引用?
(アレクサンドロス大王がディオゲネスに会いに行って、ディオゲネスに何か欲しいものがないかと聞くと、日向ぼっこしていたディオゲネスは「貴方にそこに立たれると日陰になるから退いて欲しい」と言ったという逸話)

パンフレットも購入し、小説も読もうと思っている。
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