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哀れなるものたちのmixxxiのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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「君のあどけない喋り方がよかった」とか「you talk too much」とか、女性が教養を身につけて主体的に生きることを嫌う男たちのおかしさが、生まれ直して無垢なベラの視点だからこそよくわかる。
女性が奔放でいたっていいし、自分の身体は自分のものだよね。
でも、言葉にしていないところで合意を取らないベラのコミュニケーションが羨ましくもあった。

中には知的に関係を築こうとする男性もいて、(こいつはまあええか〜)と思っていたけど、ここで食らったという感想を聞いてなるほどと思った。文学や哲学で厭世感を得た人が、行動しようとしている人を冷笑して実践から遠ざける空気を生むことって実世界でもよくあるけど、物知り顔で眺めるより行動する人でありたいよな〜、知識を蓄えた結果として不正義を前に傍観するような寂しい選択をしたくない。

ラストシーンはめちゃくちゃ笑ったし、冒頭のシーンで動物のように知能が低いベラが人間である男たちに挟まれていた構図を反転させたのかなと思ったけど、we can improveの精神があるなら、反転させて片方が優位な状態じゃなく対等な姿で終わってほしいと思った。
それとも、we can improveと自分に言い聞かせているのも丸ごと哀れなのか?泣
ここでの"進歩"は男性優位な社会からの解放がメインだと思ったから、あくまで希望的なメッセージだと信じたいけど、、、!
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