田中太郎

哀れなるものたちの田中太郎のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.5
ゴールデングローブ賞の作品賞・主演女優賞を受賞した事で何かと話題な作品。(恐らくアカデミーにも大きく絡むと予想)

エマストーンが好きなので鑑賞。
なるほど。映画祭が好きそうな映画だ。

人は社会に出ると同時に「自主決定権」を持つ。自分の事は自分で決める。それが普通だ。では生まれた瞬間…親に面倒見てもらっている時はどうだろうか?

あの時は言われたことをやればなんとかなっていた。毎日おもちゃで遊び、家に帰ればそれで良かった。

主人公のベラは身体は大人、中身は赤ん坊である。そんな彼女は博士の家で閉じ込められ、面倒を見てもらっている。

そんな彼女が初めて自主的に見つけたもの…それは性行為による快楽。

劇中、彼女は外に出たいと博士に文句を言う。そんな中とある男に外に出してもらうのだが
ずっと彼女は閉じ込められている気がした。コレをやれ、アレをやれと言われ
行き先さえも決められてしまう。

そんな彼女が最も信頼を置けるのが自主的に楽しいと感じた性行為であり
だからこそ"例の"選択をしたのだと納得がいく。

この映画はあくまで"if"ストーリーだが、こういう人も少なからず世界のどこかにいるのかなと思わされる妙な説得力と真剣さを感じた。

一歩間違えればトンデモ映画になっていたが、オシャレすぎるセットやエマストーンの演技(他の役者ももちろん素晴らしい)によりだいぶ持ち上げられた映画。

好きか嫌いか、というより
この生き方に納得がいくか、によって評価が分かれそう。
__________________________________
[この映画のBest俳優]
エマストーン
[脚本面]☆☆☆
[映像面]☆☆☆☆☆
[ストーリー性]☆☆
[オススメ度]☆☆☆
田中太郎

田中太郎