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哀れなるものたちのsammyのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.8
013/2024

噂に聞きし「聖なる鹿殺し」は未見。
ヨルゴス•ランティモス監督の作品は初視聴でした。

予告を見た時から覚悟はしてましたが
予想以上の変態映画でしたねw

終始流れる不協和音と時折挟まれるピンホール写真のような超広角の構図、
彩度のどぎついビジュアルのせいでなんか変にトリップしながら観てました。
そのシュールでどこか悪夢的な雰囲気は
テリー•ギリアム版…あるいはジャン•ピエール•ジュネ&マルク•キャロ版の「嫌われ松子の一生」といった趣でしょうか。

フェミニズムをテーマにした映画というと最近では真っ先に「バービー」が想起されますが男性視点だとこちらの方が見やすかった印象ですね。

白痴だったベラが徐々に知性を帯びていく過程での心理描写があまりないので「アルジャーノンに花束を」的なカタルシスはあまり感じられない。
ここは作品の主題であるべきポイントなのでもう少し主観的に見せて観客に感情移入させた方が効果的だったんじゃないかな。

日増しに知識と経験を身につけるベラと対照的にどんどん幼稚になっていくダンカンが皮肉が効いてて面白かったですね。
前半の立役者はマーク•ラファロで決まりです。

極端で過激な思考の持ち主であった父親の影響を少なからず受けていて、本人もそうであるのにベラに対する父性と異性愛が同席しているという複雑なキャラのゴッドウィンがとても魅力的だった。
デフォーさん間違いないですね。

ゴッドウィン家の庭にいた異形の動物たち…ハガレンのトラウマシーンを思い出しちまった…。

繰り返されるセックス描写と手術シーンがかなり露骨なので耐性のない方は視聴注意です。
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