なかずかい

哀れなるものたちのなかずかいのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
どういう世界観なんだろうこれは。若干スチームパンクぽいけどまたなんか違う、中世ぽいけど中世よりは科学が進歩してそうな世界。あとこの世の医学とはまた別の医学を有してそうな世界。流石に手術中は手袋くらいしようよ。結構背景のCG感をがんがん出してくるスタイル。

主人公ベラ・バクスターは脳科学の産物で誕生した成人女性の身体に赤ん坊の魂を宿した存在。あゴッド曰く魂は実在しないんだっけ。そんな彼女が学習を重ねて「経験」にて世界を学び続けて自身の生い立ちも探求していく。

Poor Thingsという原題通り、何がPoor、貧しい?哀れ?なのかを考えさせられる内容。
当初のベラは社会に属さずに育ったので全てを本音で生きている無垢な状態。それが故に周りのマックスやダンカンといった男達はどんどん彼女に惹かれ翻弄されていく。
彼女が経験で全てを学ぶのは将軍の家での生活についてもそうであった。全てを体験して、そこから選択していく彼女のスタイルは真に自由であると言える。この自由さがPoorなのかはたまた自由を失ったもの達がPoorなのかという問いなんだと思う。ゴッドの家の異形の者達が一同に介すると共にタイトルが出てくるラストに考えさせられる。この中で哀れなのは一体誰なだいね。
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