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哀れなるものたちのみのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

女性蔑視、国家主義、パターナリズム、反知性主義の権化みたいな男性達が、「良識ある」社会の常識に縛られないベラに鮮やかになぎ倒されていく様が痛快だった。

富豪らの横で死んでいく赤子を見て涙を流すベラの真っ当さに心打たれた。命に序列がつけられる理不尽が、「良識ある」社会では資本主義の正義の名のもとに罷り通っている。「大人」って、そういう理不尽を抗えない、変えられないものとして諦めている人間のことかもしれないね。子どもでいたい。現実主義者のハリーが、実はそういう理不尽に傷ついているというのが、ほんと現実社会でもそうなんだろうなーって思った。男性が自分自身で自分の心をケアしていく必要性がもっと社会で認識されるといいなと思う。フェミニズムって女性のためってよりむしろ男性のためでもあるよな。

私もベラのように自分の人生を、この世界を少しでも進歩させるための実験だと思って、もっと軽やかに、遊ぶように生きて行きたい。

ただ、妊娠のリスクがほとんど描かれないのが違和感だった、、妊娠で女性だけが負う身体的なダメージめちゃくちゃでかいのに、性行為の生殖の側面を無視して快楽の側面しか描いてないのってどうなんだ、、やっぱ監督が男性だからかな。
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