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哀れなるものたちのNnのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5
ノリで年始に、籠の中の乙女を妹と観たのだけど、1/26に本作が公開され、そして色々あり2月。
まじで全てに導かれて生きてる〜
今の私が観るべき映画すぎる〜🧘
そういえばこの作品観に行けてないなと思い出すきっかけが、「公費で受けられるHPVワクチンについてのお知らせ」だったのだけど、なんかすごい虫の知らせ。

『ニンフォマニアック』をちょっと前に見ていたので、あの作品のことも思い出しながら、見つつ。
日本では比較的こういう赤裸々な性事情を語る漫画とか、それが深夜ドラマ化されたやつとか最近はあるけど、海外ではどうなんだろうか。
日本のそういうやつは、コメディによりすぎてるけど、本作は生物学としての事実を見方を変えて面白く見せている感じがして、わざと誇張して笑わせてきている感じがしないのがよかった。
ただ事実の羅列なのに面白いって、いかにこの社会は事実ではないことで構成されているんだ……?

「女の子なんだからタバコやめなよ。子どもとか産めなくなるかもしれないし🥺」と言ってきた、サークルの女の先輩を殴らなかった私、エラい。
1人でバックパッカーを欧州でしてみたいと言ったら「男の子だったらできるけどねぇ。」と言ってきた、母親を殴らなかった私、エラい。
「君が頑張ったら、僕は君を"頑張ったね"と褒めてあげるよ。」と言ってきた、容姿の整った男を殴らなかった私、エラい。

ただどう考えられても「ガチャ」に成功している人が主人公でしかないのが怖い。
なんかエンドロールでは満足げな気持ちになったのに、しばらくしたらあのスラムを見下ろした気分を思い出す。
あぁ、私は、与えられた側の人間だ…と喜んでいいのか、どうしたらいいのか。。。
結末に近づけば近づくほど、やはり一視点側の人間の優位さに気付かされていくのは、酷い。
境界性知能・グレーゾーンみたいなワードを最近見聞きするから、もう私はどの立場で何を考えたらいいのかと悩まされた。

身近に「可哀想」という言葉をよく使う人がいる。
毎度その言葉を聞くたびに、ギョッとする。
すっごい高いところからそれを見ているじゃない。
自他との境界線が曖昧になるととてもしんどくなるので、そうやって切り分けて考えられるのは憧れるが……
その私のウッとなる気持ちが、poor things、これなんですねぇ〜……

ラストは「それで、ほんまに、ええんか、?」となったけどそれ以外は𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬______
え、私の人生の話してる?ってビックリしちゃった★
まーじで万物に対して好奇心がある女なのですが、そんな女でも楽しく生きていける世界になりますように。
いや、俺がしていきます。

正直、これを観て、映画バービーの欠陥箇所が明確に浮き上がってきた感ある。

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以下個人的に好きだったシーン
・THE嘘みたいな脳の入れ替えシーン
(NHKで放送されていたフランケンシュタインの誘惑という番組が好きだったので、それ見てるみたいでとても楽しかった。)

・内太ももの柔らかい方を記しとくとこ
(タトゥーでも可愛いかも。いや流石にダメか。)

・うるさい子どもに殴りかかろうとするベラ
(私は子どもと接するの好きだけど、女の人はみんな子ども好きであれみたいな風潮は、子ども苦手な人にとって苦痛だろうからなくなってほしいなと思う。)

・本を海に捨てられたらまた本をくれる黒柳徹子の風格のおばあ
(そうこなくっちゃ!!!!!)

・あなたは世界に耐えられない少年よと言われてすぐ認める少年
(えらい。それが大事。私も君も。)

・セックスしてしかもお金がもらえるんですか……?
(偏見とかそういうのない世界として考えて、そしたら人によってはまじでデメリットがない仕事だよな。)

・お父さんが息子2人連れて性教育の実践見せるとこ
(メモとって、質問もしてエラいね。)

・性病気にする村医者
(それはまじでそう。ずっと気になってた。)
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