あ

哀れなるものたちのあのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
久々に「凄いものを見た」という感覚になった。
刺激的で魅力的で社会的でありつつ美しい。
内容もさることながら衣装とか画面に映る色が美しいのでそれだけで観る価値あり。

今までの人生を凝縮して一気に浴びせられた感覚。
自分の生い立ちと重ね合わせて2時間ちょっとの間色々な記憶がフラッシュバックして感情が入り混じって揺さぶられた。

宗教とか倫理観とか道徳を無視して感情のままに生きれば楽しく生きれるのかなぁと、
それができるのは羨ましいけど他者との共存は難しいからそれが社会の摂理で、人間と動物の違いなのかと再認識した。
ただ、感情のままに生きられないことが悪ではなく、一定のルールのもとに自分らしく生きることを肯定していて勇気をもらえた。

「進歩」と「哀れなるもの」とは何だったなのかは分からなかった。
将軍は更正の機会を与えられず全く別の生き方を強制させられているような気がしたがそれが進歩なのか?
暴力による解決策のようにも感じられたが、、
哀れなるものとは何だったのか?
欲に溺れて破滅するダンカン?親子愛に取り憑かれてベラのことを忘れられなくなった博士?暴力による支配しかできない将軍?

もう一度観るか小説を読みたくなる。
あ