笹野ハム

哀れなるものたちの笹野ハムのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
凄かったな、、144分間映画館で、今までの人生を凝縮して浴びせられた気分というのは本当にそう
大人と子供の間の、知識もまだあまりなくて本能のままに生かされて少し動物的な状態のベラにとって船の上での出会いはすごく大きかったし私にもあの瞬間があったと思った
周りの大人に知るべき事と知らなくていい事を取捨選択されて与えられ、その枠から外れて子供ながらに残酷な事実を突き付けられたあの瞬間
「愛する」ことと「相手を偶像化して消費することは違う」ことを知った瞬間
出会い、別れ、必然と偶然
自分のことが嫌いになって落ち込んだ時が来たらまた観たい
フェミニズム映画は見てて疲れる、、というレビューをみて自分とは違う生き物だと思ったり
ベラの人生を通じて自分の人生と照らし合わされて色々な情報が脳に直接流し込まされるような体験の後にあの独特な音楽の静かなエンディングで天に召されるかと思った
どんなに好きな監督の好きな映画でもパンフレットは別に要らない派だったのに買ってしまった、、この感覚を忘れたくないしずっとベラの人生をこのまま見ていたいと思った