まる

哀れなるものたちのまるのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

アートの洪水にのまれた……!
隅々まで独特の世界観だった。
モノクロのシーンでさえも鮮やかに感じた。
コントラストとか寒色強め?で、豪華絢爛なんだけどどうにも落ち着かない気持ちになった。
この作品のアートディレクター?の他の作品をもっと見たい!
もしかして、あの感じはベラが見てる世界なのかも?
ゴテゴテに着飾ってるけど、実態はちゃんちゃらおかしいみたいな。
ベラは感情を表す言葉をあまり持ってないけど、その言葉を使わずして感情を表現してる気がした。
忖度するという発想がないのも良かった。

世界を探索したり本を読んだりすることで、ベラが造られていくのが面白かった!
船旅のシーンも良かった……!
スラム街を見て現実を知ったこと、世界が分断されてること。ベラは腐っても上流階級なんだと思い知らされた。それでも心から涙を流して、自分にできることをしたベラが立派だった。
ご婦人が本をパスするシーンも最高に好き!!
ベラが娼館で働いて自分の生活費を賄ったことに関して、ダンカンと元夫側が「許してやる」って言ってたのが象徴的だったな……
あと、女性が相手を選ぶのはどうか、女性が怯えてるかもしれないと考えなくていいし、みたいな提案が眼から鱗だった……!
好奇心に任せて自分の足で探検する、自己決定権、男性の私欲からの解放とかが好きだった。

ベラの成長に伴って表情が変わっていくのが凄かった……!

ハリー、希望や理想が砕かれた後に現実主義になる、現実がすべて、みたいなこと言ってたけど、なるほどなと思った。
だからfactfulnessという考え方が出てきたのかなとちょっと思った。

結局マッドサイエンティストやないかい。

愚かで貧しい人は誰なのか、よくわかった。

原作を読みたい!!!
まる

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