きっど

哀れなるものたちのきっどのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.7
エンディングで涙が出た。

最初は重度の知的障害の人を想起させた。
でもそんなベラがだんだん成長し、問題提起の語彙を得ていく過程を描くことが、希望として重要だったように思う。
社会問題に触れると、自分自身がその一端に加担している事実に絶望する。
そこから、いかに逃げないか。
現実に即さない哲学は意味がなく、哲学のない実践には力がない、その両方の立場の止揚をフィクショナルに描いていたと思う。
ラストは、動物の権利の観点からするとイマイチだったけど、それが今のリベラルの現在地なのかもしれない。
とにかく人間が生まれてくることの意味を誠実に描いていたと思う。
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