KOU

哀れなるものたちのKOUのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

女性を所有物として扱った男と女性を子どもを産む道具として扱った男は、最終的に悲劇的な結末を迎えた。
ベラは紆余曲折ありながら、女性を男と同等に扱おうとした男を選んだ。
あんなにも性的な描写が多いのは、大人の女性が実はみんな抑圧されなければいつでも性行為をしたいほどの性欲があるという意味ではなく、夫のセリフにあったようにベラは特別に性欲が強い肉体を持ちながら、脳は赤ちゃんで全てのことに好奇心を持って知ろうとするからこそ、あそこまで常に性行為を求めた。
赤ちゃんであれば世界を知ろうとする行動の範囲は、家の中から始まり、せいぜい家の近所しかない。
それに対してベラは大人だから、世界を舞台に自分の世界観を広げていく。
大人赤ちゃんが徐々に成長していく姿を俯瞰的に見ているような作品だった。
最後は女性がしっかりと輝き、男性は愚かなものとして描かれている印象が残る。
世の中に受け入れられるために女性を賛美する作品を作っているのか、それとも社会が女性をもっと前面に出そうとしているうちに今までサポート役だった女性が前面に出るようになり、こんなに女性が魅力的だったのかということに作り手も観客も気づき始めたということかもしれない。映画だけでなくグラミー賞2024も完全に女性アーティストにドミネートされていたから、そう思った。

あとマークラファロの演技が面白すぎて、ハルクよりも全然ハマり役で輝いてた。
KOU

KOU