さとみ

哀れなるものたちのさとみのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
2.9
力強くて生々しい『生』が村田沙耶香さんの小説の世界観と重なってクラクラしてしまった。嫌悪感を抱くのは多分、序盤の善悪の無さにある混沌とした強すぎる衝動に美しさや共感を得られなかったから。
中盤からはどんどん聡明になっていく彼女に「アルジャーノンに花束を」を重ねてしまう。
ファッションも幼少期らしいカラフルでフリルたっぷりのお洋服から、終盤は知的な三つ編みと知性を感じる落ち着いた服装で変化を楽しめた。

鑑賞後、ずっと居心地悪いと感じていたのは自分の倫理観や価値感、道徳さといった「良識ある世界」の枷を根こそぎぶち壊されてしまったからなのでは?と気付く。
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