ぜる

哀れなるものたちのぜるのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

「これが人生だ文句あんのか!!!」みたいな映画。

下ネタやあまりにも直接的過ぎる性描写から繰り出される小粋なブラックジョークが笑いを誘う。
父親の情事を見せられるのあまりにも地獄過ぎるだろ。

そういう所で笑って、最後の方は家族の話で泣かされて、ラストはぶっ飛んでる展開になるので情緒がぐちゃぐちゃになる。

特に最後のベラの選択には本当に胸を打たれた。
『哀れなるものたち』というタイトルは本当に登場人物たちをよく表しているようで感心する。

マックスは好き放題して娼婦にまでなったベラを受容し、ベラもまた自分を騙していたゴッドを家族として愛した。
人間の綺麗な部分も醜い部分も両方受け入れて生きていくのが人生である、というメッセージをしかと受け取ることができた。

メインキャストはどの人も良かったんだけど、個人的にはウィレム・デフォーにMVPを贈りたい。
終盤の展開まで込み込みで見ると彼の狂気と愛情が入り混じった感情表現があまりにも素晴らしかった。ベラとマックスに看取られる最期は思わず涙ぐんでしまった。

あとはセットなのかロケ地なのかは分からないけど街の描写とかがめちゃめちゃ綺麗だったな。
特に最初にダンカンと訪れてた街とか実際に行ってみたい。

正直締め方は振り切れすぎててあんまり好みじゃないんだけど他の部分が補って余りあるほど良かったのでこの点数。
面白かった。
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