ハル

哀れなるものたちのハルのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
初のヨルゴス・ランティモス作品。
攻め込んだ世界観、命に対する尊厳を無垢な映像とエマ・ストーンがその圧倒的な輝きで魅せてくれるアカデミー賞11ノミネートの超話題作。

内容に関しては子供の脳を持った大人が世界を1から学び、成長と学びを経てアイデンティティを築きゆくもの。
“性に奔放”というよりも倫理観にとらわれず、ありのまま。
人間だって動物なわけだし、これこそ真の姿なのかもしれないね。
流石のR18+

ただ、これだけならば、類似したテーマの作品はいくつかある。
それらと一線を画すポイントはやはりエマ・ストーンの覚悟。
このクラスの女優が演出上必要とはいえSEXシーンを惜しげもなく幾度も行うのは純粋に驚かされる。
言いたいことも言えないこんな現代にドロップキックしているような鮮烈なパワーを感じられた。

エマ・ストーンを見るためだけに劇場へ行く価値があり、彼女が作品そのものを身一つで体現。
女性の力強さに満ち満ちた意欲的な一作。
変化していくヒトの可能性に思いを馳せる時間となりました。
アカデミー賞は『オッペンハイマー』だと思うけど、こちらも十分なインパクトを刻んでいます。
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