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哀れなるものたちのtsuyocinemaのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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「ベラ、世界を知る」映画であり、
ベラを通して鑑賞者が解剖学者のような客観的視点で
人類や社会の歴史的変遷を知るとともに
それらのアップデートへの課すかな希望をベラとともに描けるかもしれない映画。


ベラを演じるエマ・ストーンが
獣のような子供時代からの成長過程を見事に演じており、
特に食への好奇心が発動したり、知性が宿った際の表情の変化は素晴らしかった!

子供がいる身としてはマーク・ラファロ演じるダンカンに
実の娘のような存在であるベラを託すことに嫌悪感すら覚えた。
しかし、それは自身の所有欲の裏返しでもあり、
本主題が指摘している女性を自立した人間として見ていない男たちと
同じ構図に自信もハマっていたと反省もさせられた。



素晴らしいテーマ性だけでなく、
爆笑&苦笑シーンあり、
ヨルゴスランティモスらしい変なシーン(異様なダンスや変なクリーチャー)
サイバーパンクな造形物や魚眼カメラワーク、超かわいい服の数々、
意図のある画面の色彩、人工的自然な風景…ビジュアルも素晴らしいので
是非劇場で鑑賞すべき作品!
そしてまたしても吐しゃする映画は名作が多いを裏付ける作品!

■好きなシーン
・身体の構造上口から水泡を出すシーン
・熱烈ジャンプと命名するシーン
・カキとシャンパンのマリアージュ!なシーン
・舞踏会の変なダンスのシーン
・本を投げられ、2冊目を差し出す老婆のシーン
・女々しいダンカンの雪投げるシーン
・「何フェチだ?」な変なおっさんのシーン
・羊になったあいつなシーン
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