ペーパーライク

哀れなるものたちのペーパーライクのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.0
正しさとは何か?
少しづつ良くなってると信じている、
人類の倫理観が、予算たっぷりな映画にかかると、最も簡単にくずれてしまうのではないかと、恐怖した映画。

その倫理観本当に正しいの?が、
この映画のテーマと勝手に思っている。
主人公が社会主義を勉強しているのもそのテーマが関連しているのかと。。。

精神的に成長していない時の主人公の
SEXを快楽の手段としかとらえていない考えが、あまりにも男性的で矛盾を感じたのだが、これは常人ではない事を演出しているのか?それとも生前のセックスに対する貪欲さをリンクさせるための脚本上のギミックだったのか?

個人的な趣味の話になるのだが、
主人公が常に弱者では無く、関わる男性に対して上手であることが、主人公の成長が感じられにくく、この映画がきっぱり好きと言えない所なのだと思う。

途中、赤ん坊が死んでいる事に対して
絶望して生命論的に成長したにも関わらず、ラストで将軍に施した手術も、アダムスファミリー的な独自の正義感に矛盾を感じた。この映画はその独自の正義感を楽しむ映画なのだろうか?

視覚効果、衣装、役者の演技は確かに
良いのだが、私の好きな映画では無い。