狂った画面とファンタジーな美しさはとても良かったが、なんかノレなかった。
今作は、俺の解釈が浅はかなのかもって前置きはしとくが、強く賢く成長した主人公が、正しい倫理観でもって、正しくない奴らを討ち果たすような話に見えてしまい、それが何かモヤっとした。
そもそも自分が何で映画を見たいのかっていうと、正しくない人間とか狂った人間の中にも、美しい瞬間とか輝きってあるよねって部分を見たいわけなのです。もしくは、ダメ人間が、映画全体通じて1ミリくらいは成長できたって頑張りが見たいのです(もちろん、そういう話じゃなくて好きな映画もあるけども)。
汚い抑圧構造が蔓延る世界に対して問題提起をしたり、間違った事に声を上げる事はとても大事だと分かりつつ、俺はベラみたいにスクスクと成長できないし強くないし、物事を論理的にしっかり考えて行動に移せる人間に憧れない。