サッチ

哀れなるものたちのサッチのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.4
良い!
劇場に行って大画面で見てよかった!
色彩が繊細で本当に綺麗!

内容は胎児の脳を移植された女性の人生譚。人生は実験だと言わんばかりにいろんな生き方を模索していくベラ危なっかしくハラハラしながらもなんだか勇気が湧いた。

この映画で描かれてるフェミニズムというのは先入観なく人と向き合おうよという事で、それが研究者という職業に重なってるのかなと解釈しました。

ゴッドもマックスも研究者としてベラという未知の生物と向き合い続け、ベラの考え方を尊重しようとしたからこそ絆が生まれた。
反面ダンカンはベラのありのままを理解しようとせず思い込みで行動し、先入観でしかベラが見れず溝がどんどん深まった。

ベラを冒険に連れ出して貴重な経験を与えたのは他でも無いダンカンだしベラにとって重要な存在なんけどね。それに社交辞令を言うのも嘘をつくのも社会を生きていく上で間違ってはいないしそれが全く出来ないベラは普通ではない。人間って皆ダンカンのような側面を持たないと社会で生きていけないよ。
反面ゴッドやマックスはベラと信頼関係を築きつつも、命をもてあそぶ倫理もクソもない実験を淡々と熟してしまうくらいはモンスター。

だから、個人を尊重するのは先入観なく相手と向き合うことこそ大事で、倫理や社会性はあまり関係ないのかなと思いました。愛する人を尊重できない普通の人間たちと、愛する人を尊重し信頼関係を築いたモンスターたちの物語。
サッチ

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