平熱

哀れなるものたちの平熱のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.6
ベラのこと大好き!
情動の分化、言語の獲得、社会での立ち振る舞いを身につけて、社会との関わりを自分なりにやっていく、という成長を猛スピードでみた。疑問を持ちつつ実験しながら、時に誰かと対話しながら、中からも外からも自己を形成しているのほんとうにうつくしいこと。脳も身体も大人なわたしたちも、まだできること。自分で体験するのがいちばんだけど、フィジカル的なことじゃなくっても、世界が広いのを知ることはたいせつだって思う
好きな音楽が鳴ったらお行儀の悪いダンスをしたっていいし、自分の意思じゃないんだったらその場を円滑にするためのセリフなんて言わなくたっていいんだって忘れずにいたい。大切な人とは、お互いを大切にするために約束事をする。自分の身体も心も、他の誰かの所有物じゃなくて自分だけのもの。性的な快楽を得るのが幸せだと思うのも身体の持ち主が決めること。だからもちろんベラだけが正解じゃなくて、セックスやダンスを恥ずかしいと思う人もいるし、誰かに強制されたりコントロールされるものじゃないってみんなで思いたい。船の上での、チャーミングなマダムとリアリストの青年との誠実で可笑しみのあるやりとり好きだった。
そして衣装がとても凝っていてスペシャル!GINZAが衣裳デザイナーのホリー・ワディントンにインタビューしている記事興味深かったです
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