胃潰瘍のサンタ

哀れなるものたちの胃潰瘍のサンタのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.7
マーク・ラファロ、楽しそうだなあ……(笑)

映像の美しさといいテンポといい、映像センスは抜群なので退屈はしなかったが、後半はあまりにも凡庸。
確かに前半は怪奇ムードたっぷりな大人の寓話で、先の展開が気になった。でも、後半の「自立していく女性」の物語は別にこのフランケンな題材じゃなくてもできるような話でしかない。主人公が成長していけばいくほど、現代的な主張の生臭さだけが際立って、前半のワクワク感は落胆に変わっていく。

極めつけはラスト。「改善してあげるの」と言いながら、結局は人の皮を被った畜生に畜生の烙印を押して溜飲下げてるだけじゃないか。皮肉にもなってないし、保守的なキリスト教的世界観そのもので何も進歩なんかしていない。