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哀れなるものたちのeurotrashgirlのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0

欲求のお話がギュウギュウに詰められている。
生理的欲求に始まり性的欲求、社会的欲求、を経て、自己実現欲求まで、すべてを繊細に描いていた。
自由で開放的なベラに魅了され翻弄され嫉妬に狂い崩壊する周囲の人々が本当に面白おかしくって、プププ。。ベラ以外全員哀れじゃん!となってたけど最後にはベラも、進歩させればいいんだよってモンスターなことしていて人間は皆哀れ、血は流れていなくとも育ち〜といった具合。
閉じ込められたベラの人生はモノクロそのもので、解放された瞬間から過度なほどのカラフルが色彩にそのまま現れていたりと、映画の意図がふんだんに散りばめられていたような…
悪者がいて主人公(正義)があって、夢の世界かのような派手な描が続き、一見ファンタジーっぽいけど追っていくとかなりと社会派
セリフの一つ一つも興味深くて、
「お金そのものもが病であるから」
社会との繋がりの中でそういったものに気付いてしきりに社会主義を主張していくベラ。
しかしアタシは社会の良識や礼儀など知らず分別なく生きていくロッケンローなベラ、まだずっと見ていたかったな(サイテイ?)
早い段階から何が起きるの何が起きるの!?って最後まで、こんなにワクワクした映画体験は実に久しい!
「色んな世界が見たい」ベラはまだまだ旅の途中なのですよ。プアーシングス!

p.s. 衣装やセット、いちいち繊細で可愛くってこれが50年前のよく知られていない映画だったならば見つけちゃった〜感でこれはアタシのバイブルだって主張しちゃうよ。
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