なだ

哀れなるものたちのなだのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
誰が一番哀れ?
原題Poor things 「可哀想に…」は憐憫と他人事の意味に取れる。

登場人物の価値観が交錯する中、胎児の無垢な脳で世の中をみるとこうなるのか…と面白かった。独特の絵本のような世界観も素敵でした。

エマ・ストーンの体を張った演技はリアルだが、少し性欲に偏った描写が多い。でも不思議と穢れを感じない。
それは生きる意欲とたくましさとクズ男に毒されない純粋さは天使性なのかな。

マーク・ラファロのサイテーなクズ男の演技が見事過ぎる😂『ダーク・ウォーターズ巨大企業が恐れた男』で硬派な社会派映画をプロデュースするお硬い人かと思えばあの役とは本当に凄いな。ハルクだし

ヨルゴス・ランティモス監督の過去作から比べると『女王陛下のお気に入り』に次いで理解し易い作品と思う。






↓ネタバレ⚠



さて、誰が一番哀れなのか…やはりクソ旦那に体を取られたヤギだな
あの実験された動物たちはちょっと嫌だったなぁ。

ヴィレム・デフォーは怖い顔だが優しいパパ♡






【余談】
この作品に欠かせない脳移植という設定で、昔読んだ弓月光の少女漫画『ボクの初体験』を思い出した。

女子にイジメられ崖から飛び降り自殺をした男子高校生が、マッドサイエンティストの死んだ愛妻の亡骸に脳移植され女子高生として自分の高校に転入しイジメた女子に復讐する明るく楽しい学園ドラマ。

今は青年誌H系漫画家ですが「りぼん」に描いている頃はホントに面白かった。
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