anona

哀れなるものたちのanonaのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
ざっくり言えば、死んだ妊婦の体に、妊婦の腹の中にいた赤ちゃんの脳みそを移植して誕生した主人公の成長過程を観察する映画。新手のコメディとして楽しくみることができた。

常識に囚われず生きてきた結果、キリスト教的世界観に真っ向から刃向かう存在となるのが印象的。宣教師はセックスに長け、女性蔑視の透けて見える男ほどベラへの所有欲に苦しむ。皮肉に満ちたコメディを楽しめた。

鳥籠の中のロンドン時代を白黒で描き、ギリシャで目にしたスラムへと続く階段は崩れていて、メッセージ性の強い絵画のよう。
あらゆる成長過程のグラデーションを仕草や表情を通して見事に演じ切るエマストーンが流石すぎる。
anona

anona