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哀れなるものたちのFyohkoのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


『哀れなるものたち』


2023年 イギリス/アメリカ/アイルランド合作

今年度アカデミー賞11部門ノミネート作品
映画好きの常連さんにお勧めされて観てきた

事前に、観ていたトレーラーでは
スチームパンク的な世界観が
ジャン=ピエール・ジュネ監督の
『ロストチルドレン』上位互換かな
ぐらいの気持ちで挑んでみたものの
遥かに超えてきた

街を丸ごと造ったという
セットにかける予算が桁違いだ

建造物や衣装、細かい室内の装飾
至るところまで妥協していない
それはそれは美しくうっとりさせられる


問題は主人公のベラだ

投身自殺した妊婦だったベラに
胎児の脳を移植して
逆コナン状態から、外の世界を知り
知識を得てマッドサイエンティストになるという話なんだが

私には、ベラの人生が
フェミニズムのクロニクルにしか見えず
最後のシーンでは吐きそうになった

ベラ=フェミニズムクロニクル
という見方をすると
全てが現代の社会問題を暗示して
痛烈に皮肉ってるように見える

マッドサイエンティストの父親から
人体実験を受けていたゴドウィン博士は、その行為を受け入れ
父親を肯定したコトで
動物をキメラにし、遂にベラを生み出した

その1号機であるベラが、またマッドサイエンティストになり、前夫に罪と罰を与えるというスタンスで
人と動物のキメラを生む

毒親の連鎖
神の手を遥かに超えたサイエンス
そして
フェミニズムの成れの果てを見せられた

数年前に、同監督作品
『女王陛下のお気に入り』を観た時
ラスト5分ぐらいで
とんでもない仕掛けがあったのを思い出したが

本作のラストシーンでは
過剰なフェミニズムが
大の苦手なせいか
ガツンと背後から殴られたようで
すっかり気が滅入ってしまった


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