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哀れなるものたちのはてなのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

纏まってないし批判的なのであんまり読まないでほしい。あと、私がかなり期待してたからこそ、この感想になってるっていうのも加味してください…この作品のクィア表象をすごく楽しみにしていたけれどそこを考える前に他のことでもやもやしました

アイデアとして面白いし、ベラのセクシュアリティ表象は好きだし、観た後ずっとあれこれ考えているのでいい作品ではあると思うんだけど、だんだんと知性を得ていくとベラの奔放さが、現実的な規律とのバランスに落とし込まれている感じがして後半少し飽きてしまった。あんまり自分がランティモス作品と相性が良くない。けど、例えば避妊/リプロダクティブヘルスとか、人種/階層表象がが雑だと思うし、じゃあ完全に"ファンタジー"なら喜びを得るための性行為を、なんで男とばっかやってるんだとか色々突っ込みたくなる。後、visually pleasingなシーンに作品のクィアネスが押し流されてしまった気がする。(なんか、ずっとベラのことを見つめる視点だよね?male gazeでベラに振り回されるような)
ベラが主人公として打ち出されてるけど、終わった後には正直ゴッドが主人公だと思った。ベラはあくまでゴッドのこどもとしてゴッドのクィアネスとか考えとか(もちろん医者の腕前も)を引き継いでるような。

船旅の途中で飢えに苦しむ人達を塔の上から眺めて、「かわいそう!」と涙を流すベラのシーンで、ベラは全然間違ったことをしているわけではないがベラの特権性をごりごりに感じたのと、その「美しい人間が哀れな人たちを思って涙を流す」行為自体はその人たちに還元されるよりも、むしろベラの良さを再度突きつけてくるようで、グロテスクだな…と疲弊した。私はベラにはなれないでしょう?

瞬間的/偶発的にめっちゃクィアだが学習して規範的になる身体をみつめるかなしさ、それでも身体は感じ、動くことをやめないと思いたい
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