カタクチイワシ映画レビュー

哀れなるものたちのカタクチイワシ映画レビューのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
予告だけ観て予備知識入れてない状態で勝手にアルジャーノン系の物語かと思ってたら、寧ろフランケンシュタインだったザンス。いやぁ〜、私もエマ・ストーン創りてぇなぁ(そういう映画じゃない!)。


主人公ベラは成長と共に多くのことを学んでいく。学問・哲学・宗教・思想・性・人間の感情。知性と精神、経験を得て、自身の出自を知ったベラは何処に辿り着くのか。

控えめに言って最高。格差とか偏見とかetc.etc.見えない何かに縛られる人々、でもそんなの通用しねーベラが綺麗で可愛くてカッコいいのなんのってば。
ダンスシーンとか何なのよアレ? メチャクチャ感情引っ張られましたよ。エマ・ストーン最高過ぎる。

誰が観ても目を惹かれざるを得ない映像・美術・衣装・劇盤・カメラ演出。もうすんばらスィ〜の一言。ヨルゴス監督作品は以前から興味はあったものの観てなかったんだけど凄いですね。おかげで私の頭の中はヨルゴス監督だらけ。間違いなく私好みの変態です。今までスルーしてきてゴメンよヨルゴス…、直ぐイングランド行って鹿とロブスター食ってくるからちょっと待っててね!

観賞しだしてから気付いたんだけどこれR18+指定だったんだ。ベッドシーンなんて言葉が生易しく聞こえてしまうくらいガッツリなシーンが多くてビックリした。エマ・ストーン凄い好きな俳優だけど心配になります。そこまでせんでええやろと(激賞!)。
でも彼女の肢体はこの作品のビジュアルに勝るとも劣らなくて本当に美しかったです。あれは国宝級ですねー。眼福眼福。
あとマーク・ラファロのプリケツも。こっちは重要文化財レベルかな。予告で見た「ベラ〜」のシーン、本編では爆笑しました。完全に予告詐欺。

完璧に調和された歪な世界だけど、女性キャラクター側にも完全に真っ黒にな人物が1人でも居たらもっとよかった。男なんていつだってあんなもんだからいいけど、登場する女性キャラクターに逞しい人物が多くて、アルフィーみたいなのが1人でも居たら更に深みのある究極な映画になってたように思いました。


本当に美術やビジュアルコンセプトが良くってエンドクレジットまで目が離せません。
観賞後も暫くは誰が最も哀れな人物だったのか、自分はどこに当てはまるのか考えてしまいました。恥ずかしくもきっと、誰しもが重なってしまう部分、人物がいると思います。傑作でした。
メチャオススメです!