映画好きの柴犬

哀れなるものたちの映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
 その寓話性に富んだ世界観で魅了するヨルゴス・ランティモス監督だけど、その特異な世界観ゆえに話が飲み込みづらかったり、陰湿な雰囲気が重苦しかったりしていた。けれど、本作は時代不詳ながらフランケンシュタイン的な設定はわかりやすいし、色彩や美術も色鮮やかで前向きな雰囲気があり、エンターテイメント性も随一ながらテーマ性もはっきりしていて、批評家ウケも一般ウケも狙えるバランスの傑作。まあ、露骨なシーンが多いから、誰にでも勧められるわけではないが...

 ベラの成長を見事に演じ分けたエマ・ストーンにとっても新たな代表作であることは間違いなし。